建築家石出和博が心で見た日本の美しさを写真とエッセイでつづった日本のかたちとこころを癒す叙情詩・こころ紀行



ピグマリオン効果
ピグマリオン効果というものがあるそうだ。
伝説上の話から、むかしピグマリオンというキプロス王がいて、象牙で作った少女の像に恋をしたが、ついには女神によって命を与えられ、王はその少女と結婚したという故事にならって、心理学では相手にそうあってほしい、そうなってほしいと願うことが叶えられることを言うのだと聞いた。
そういえば、物心ついたころから「人様に迷惑をかける様な人間になるな」が口癖だった母の言葉が、何歳になっても頭から離れないのはピグマリオン効果のせいか。
私など欲張りだから、学校や職場の若い人達に、こんな人間になってほしいと願う前に、アイツはこれができない、あれができないととつい愚痴ってしまうからいけない。
できないことを探したのでは人間浮かばれないだろう。それより、できることを探す方が、人が生かされると言うものだろうに。
新人育成の場で、上司が一緒にできることを探しながら、こんな人間になってほしいと願ってくれたら、勇気が湧いて、どんなにそのために叱られたとしても意欲をなくすことなどないと思うが。
愛情の上に立ったピグマリオン効果で、難しい教育問題も、案外楽に解決できるかも知れないと思ったりする。




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