建築家石出和博が心で見た日本の美しさを写真とエッセイでつづった日本のかたちとこころを癒す叙情詩・こころ紀行



犬の格
いつもの朝の散歩に道連れができた。
上の娘のワンルームマンションで飼っていたビーグルが、思ったより大きくなってしまって部屋に置けなくなったと言って連れてきたのだ。
猫党の私は知らんふりを決め込んでいたので、下の娘と女房がかわり番に散歩に行ったり下の世話をしていた。
いつから犬が嫌いになったのかは定かではないが、見るに見かねて、先日ワン公を朝の散歩に連れ出した。
うれしいのか、浮ついているのか、チョロチョロと実によく動き廻るやつで、言うことをまったくきかないのだ。
朝早く寝巻き同然の姿なので、途中すれ違う散歩の人達に目を合わさない様にしたいのに、チョロチョロとなついて行くものだから、(いつも前だけ向いて黙々と歩いているのに)すみませんと謝ってばかり、ついでにウンチまでやってしまい、ああもういいと思った。
すれ違った顔のスマートな白い長い毛の大きな犬などは、うちのワンがチョロチョロ近づいて行くのに、お座りして通りすぎるのを待って微動だにしない。たぶんうちのワン公とは格が違うと思っているみたいなのだ。
こうなったら私も負けず嫌いだから、しつけをしてやろうと毎日連れ出す様になってしまった。
三つ子の魂と言うが、犬の場合何歳までなのか、今日もほとんど言う事をきかないワンと散歩をした。出来の悪い子ほどかわいいともいうなあと、しみじみ思いながら。




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