建築家石出和博が心で見た日本の美しさを写真とエッセイでつづった日本のかたちとこころを癒す叙情詩・こころ紀行



五月病
五月病というのがある。
医者ではないからホルモンの関係かどうかはわからないが、四月に新しい出発をした緊張感が五月になってプツンと切れてしまうことなのだろう。
そういえば、家を新築して、一ヶ月程経ったころ、五月病によく似た症状になる人がいる。
家を造るという、それまで積み上げて来た達成感が満足感に変わるなら、
それは心地よいまどろみに似た時間だろう。
しかしこんなはずではなかったという倦怠感となると問題は複雑になる。
友人を持つのなら、弁護士と医者と建築家と彼方の国では言うそうだが、
日本では建築に携わる人達の意識レベルが低すぎる。
大はゼネコンの談合から、小は住宅メーカーの性能のいい加減さ、私の担当している建築雑誌のハウスドクターのコーナーで、100年住宅の嘘、長期保証のまやかし、というのを書いたら脅迫状が来た。
建築家と言われる人達は、そろそろ総論をやめて、はっきりと物を言わなければ信用などされなくなるだろう。
そんなことなら、図面書きのコンピューターに取って変わられる日も近いのかもしれない。




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