建築家石出和博が心で見た日本の美しさを写真とエッセイでつづった日本のかたちとこころを癒す叙情詩・こころ紀行



チャンス
人生には確かにいくつかのチャンスがある。それを生かせるかどうかだ。
ところがそのチャンスというやつが好機といっしょに来るとはかぎらないのだ。
これが実に難しい。
振り返ってみると、あれが人生の中でチャンスだったなあと思えるのは、ピンチの時に苦しみながら手にしたものだと、後から気付くのであって、その時々、これがチャンスだと考えて、好機だけを狙っていても、人生そううまくいくとは限らないものだと思う。
だから苦しい中にあっても、あきらめない努力、そしてそんな中にすら楽しみをみつける生き方をしていれば、だれにだってチャンスが巡ってくるはずなのだ。
しかし現代人は、その苦労に対する忍耐力を失ってしまったのだろう。すべてのことが性急に簡単に損か得かで解決しようとされる。
先日世間を騒がせた幼稚園児殺害事件、親どうしの付き合いに耐えられないと言って、幼児を殺してしまった。子に生き方を教えるべき母親までこうだ。
ところが、報道番組に出た同年配の女性達は、加害者の気持ちもわかると言って同情しているではないか。
なんとも情けない。人間が生きる目的はなにか、その部分を忘れてしまっている。
人間は見栄や欲望だけでは、生きている価値など無い。
来る年は、人間を磨いて懸命に生きる。そんなほんとうの生き方が求められ、評価される世の中になればと願っているのだが・・・・・・。




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